研究ファイル No.10: COMTの熱不安定性に関わる遺伝子多型rs4680が肝機能に与える影響
タンパク質を網羅的に解析するプロテオミクスの手法を用いて、動物モデルによる肝傷害についての研究を進めたところ、肝臓内のカテコール-O-メチル基転移酵素 (COMT) に変化が見られたことから、COMTと肝機能の関連に着目しました。
COMTは女性らしさに関わるエストロゲンの代謝や、アミノ酸の一種であるチロシンの代謝で働きます。その中のカテコールエストロゲンやカテコールアミンに作用する酵素であり、様々な生理機能の調節に関与します。 続きを読む →
研究ファイル No.9: 慢性腎臓病の割合は、炎症性サイトカインの遺伝子多型によって異なる
私たちの体は厳格に制御された強力な免疫機構に守られています。しかし、その制御が乱れて強く働きすぎると自分自身の体を痛めることがあります。
免疫の活動のひとつを炎症反応と呼びますが、炎症反応を引き起こすサイトカインという細胞同士の情報伝達物質の過剰が持続すると、大事な内臓の血管を痛め、心筋梗塞や腎不全になりやすくなると考えられています。
J-MICC研究に参加された3323人の方の腎臓の機能と炎症性サイトカインの遺伝子多型の関連について調べました。 続きを読む →
研究ファイル No.8: 生活習慣や健診データに関係する遺伝子型の地域差
J-MICC研究では、遺伝的要因と生活習慣や健診データなどとの関係を調べるため、全国10地区で研究に参加されている方の中から4519人について、108種類の遺伝子型(タイプ)を調べました。その結果、遺伝子型の中には、地域によって頻度にかなりの差があるものもあることがわかりました。 続きを読む →
研究ファイル No.7: 森林浴を高頻度でしていても血圧値は低くはない
森林浴はよく知られている健康増進方法の一つですが、効果に関する研究は途上段階です。「どんな人が、どのような方法で行えば、どんな効果が見込めるのか」というような具体的なガイドラインはまだありません。今回は、静岡地区の4666人を対象にし、血圧について解析を行いました。その結果、森林浴を高頻度で行っている人でも、行っていない人より高血圧の人が少ないとか、血圧値が低いというようなことはありませんでした。更なる研究が必要ですが、今回の調査結果では、森林浴を高頻度で行っても、高血圧や血圧値とは関連がないことが示されました。 続きを読む →
研究ファイル No.6: 食事パターンと高感度CRP(血中炎症マーカー)との関連について
日本人の食事パターンと高感度CRPとの関連を検討しました。男女別に5つ(健康型/欧米型/魚介類型/パン食型/デザート型)の食事パターンを導きだしました。男性のCRPは、健康型、パン食型、デザート型で低くなり、魚介類型で高くなる傾向が見られました。一方、女性のCRPは、健康型で低くなり、欧米型で高くなる傾向が見られました。
日本人男女における健康型の食事パターンは、炎症の抑制と関連している可能性があります。
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研究ファイル No.5: 日本人のメタボリックシンドロームの腹囲基準値の検討および他の身体計測指標の検討
メタボリックシンドロームの腹囲基準値には異論も多い現状です。今回、高血圧、脂質異常、高血糖を2つ以上保持している方を検出する腹囲の値、および腹囲以外の身体計測指標(BMI、体脂肪率、腹囲/身長比、腹囲/臀囲比)で、上記の方の検出力を比較致しました。
対象者は佐賀市でJ-MICC Studyに参加した者(40-69歳)の内、空腹時採血ができた844人です。ROC解析をした結果、腹囲の値は、男性88cm、女性 82cmでした。また、腹囲以外の身体計測指標でも腹囲と同等の検出力を示しました。
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研究ファイル No.4: 静岡地区における森林散策頻度
一般住民の方が、どの程度、森林散策を行っているのかというデータは少ないため、静岡地区の参加者4666人の森林散策頻度を明らかに致しました。その結果、月1回以上、森林散策を行っている人は男性で20.3%、女性で17.4%でした。年1回以上は、男性57.3%、女性53.5%でした。北海道八雲町と比較したところ、静岡地区の方が森林散策をしている人の割合が高く、森林散策を好きな人の割合も高いことが明らかになりました。なお、森林散策を高頻度で行っているのは、森林が好きな方、年齢が高い方、女性より男性という結果でしたが、これは八雲町と共通でした。 続きを読む →
研究ファイル No.3: ジェイミックスタディー佐賀地区のベースライン調査への参加率に関する検討
2005年11月から2007年12月に40~69歳の佐賀市民61,447人全員に、調査への参加依頼文を郵送したところ31,002人(50.5%)から返信があり、12,078人(19.7%)が調査に参加して下さいました。返信率、参加率ともに、女性が男性よりも高く、年齢が上がるほど高く、調査会場の利便性がよい場合や、依頼文書に返信がない場合に再度依頼文を郵送した場合に高いという特徴がありました。 続きを読む →
研究ファイル No.2: コーホート研究では多数の検体保存が必要
長期間の追跡を必要とするコーホート研究では、多数の検体を保管するする必要がある。2005年に開始された日本多施設共同コーホート研究では、1人あたり中央事務局が9本(血清用4本、血漿用4本、バフィーコート用1本)の検体チューブを保管している。10万人の検体を保管するためには-80℃用700リットル冷凍庫が20台必要。チューブには2Dバーコードが付いており、保管箱番号と共に管理されている。保管室の窓には盗難防止のための窓枠がとりつけられ、入口には暗証番号とカードキーによる入退室管理装置が設置されている。 続きを読む →
研究ファイル No.1: 日本多施設共同コーホート研究(J-MICC研究)が始まった
日本多施設共同コーホート研究(J-MICC研究)が2005年に開始された。生活習慣と遺伝子型が、生活習慣病、特にがん発生にどれだけ関与するかを調べる長期追跡調査だ。全国10研究機関が分担して10万人の参加者の募集を目指す。参加者には追跡調査への同意をお願いしている。2025年までの状況を調査させて頂き、データの解析と報告のために2035年まで作業を継続する。 続きを読む →