カテゴリー別アーカイブ: ストレス

自覚ストレスと炎症マーカーとの関連に対するストレス防御因子の影響

研究ファイルNo.43:自覚ストレスとC-reactive proteinとの関連は、社会的支援やストレス対処行動の変化によって異なる 心理ストレスが体内の炎症を悪化させ、その結果として循環器疾患やうつ病などにかかりやすくなる可能性が示唆されてきましたが、今までの研究結果は一致していませんでした。また、同じストレスを感じても,ストレスをどう受け止め、対応したのか(ストレス対処行動)、あるいは周囲の人たちからの励ましや支援を受けられるか(社会的支援)で炎症状態が変化する可能性もありますが、まだ十分な検証が行われていません。私たちはこれまでの研究で、自覚ストレスが高い男性では炎症マーカーであるC-reactive protein(CRP)が低いことを報告しました。今回は、ジェイミック スタディ佐賀地区のベースライン調査と5年後調査に参加された8,454人について、1時点の関連ではなく5年間の変化について自覚ストレスとCRPとの関連を検討し、その関連がストレス防御因子である対処行動や社会的支援の変化により異なるのかについても検討しました。

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日本人一般住民における自覚ストレスおよび抑うつと遺伝子酸化損傷の関連

研究ファイルNo.42:精神ストレスは、遺伝子損傷マーカーである尿中8-OHdGの濃度と関係している 過剰な精神ストレスなどによる精神的不健康は、循環器疾患などの身体的不健康にも関連することが知られています。ヒトの遺伝子(DNA)が損傷される過程で生成される8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)の血中あるいは尿中の濃度は、循環器疾患やがんなどとの関連が報告されています。遺伝子損傷は、精神ストレスによる疾患発症のメカニズムのひとつである可能性が考えられていますが、8-OHdGの濃度と精神ストレスや抑うつとの関連についての検討は十分ではありませんでした。 今回、ジェイミック スタディ佐賀地区の5年後調査に参加された8,454人について、過去1年間に感じた精神ストレスや抑うつについて尿中の8-OHdGの濃度との関連を検討しました。その結果、精神ストレスが高いと回答した方たちは約24%、低いと回答した方たちは26%であり、精神ストレスが高いことは、抑うつが高いことと関連していました(図1)。

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ゲノムワイド関連解析によるストレス対処行動と遺伝子の関連

研究ファイルNo.41:シナプス形成やシナプス伝達物質の調節に関与する遺伝子(FBXO45)は、ストレス対処行動の「感情表出」と関連している。 ストレス対処行動は、日常生活で経験する問題やできごとなどに起因する精神ストレスに対処するための心理社会的行動です。精神ストレスを軽減させるためには、複数の対処行動を適切に使用することが重要であり、特定の対処行動の使用頻度が低いことは精神ストレスに対する脆弱性につながると考えられています。これまでに、精神ストレスや精神疾患に関連する特定の遺伝子についてストレス対処行動との関連が報告されていましたが、そのような遺伝子以外にも対処行動に影響している遺伝子が存在する可能性があります。本研究は、ヒトの遺伝子情報の全体をほぼカバーする遺伝子について解析するゲノムワイド関連解析という手法を用いて、ストレス対処行動と関連する遺伝子を探索しました。

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自覚ストレスおよび対処行動のBMIとの関連

研究ファイルNo.29:男性では、ストレスに対処する過程で肥満になっている可能性がある  肥満は、高血圧、動脈硬化、糖尿病などのさまざまな生活習慣病と関連していることが知られています。また、心理ストレスも同じように生活習慣病の原因となることが報告されています。この理由として、ストレスを感じることが、生活習慣病のリスクである肥満と関連する可能性が考えられてきました。ストレスと肥満の関連についてのこれまでの研究結果を総合すると、ストレスが高いほど太っているという傾向がみられています。

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自覚ストレスとストレス対処行動が男性において炎症の低下と関連している

研究ファイルNo.22:自覚ストレスおよび対処行動の炎症検査値(高感度CRP)との性・年令特異的な関連 心理的なストレスは循環器疾患のリスクを上昇させることが報告されてきました。そのメカニズムとして、心理ストレスが体内の炎症を悪化させ、その結果として循環器疾患にかかりやすくなる可能性が示唆されてきましたが、今までの研究結果は一致していませんでした。また、同じストレスを感じても,ストレスをどう受け止め,対応したのか(ストレス対処行動)で炎症状態が変化する可能性もありますが、まだ十分な検証が行われていません。 そこで、今回、J-MICC研究佐賀地区に参加された12,069名において炎症検査の一つである高感度CRP (CRP) と自覚ストレスおよび対処行動との関連について検討しました。 その解析の結果、当初の予想に反して、特に60代男性では自覚ストレスが高いとCRPが低く、これまで考えられてきたこととは逆の関連であることが分かりました(図1a)。また、40代男性で「なりゆきまかせにする」という対処行動をする人ほどCRPが低いことが分かりました(図1b)。さらに、自覚ストレスが高い男性で、「身近な人に相談して励ましてもらう」という対処行動を行うとCRPが低いことも分かりました(図2)。これらの関連は女性にはみられませんでした。

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