朝食欠食および短時間睡眠とメタボリック症候群との関連についての横断研究

研究ファイルNo.77:朝食欠食・短時間睡眠とメタボリック症候群との関連

 朝食を欠食する人や睡眠時間が短い人は太りやすいことがこれまでの研究で報告されています。それでは、メタボリック症候群(MetS)との関連はどうでしょうか。MetSは肥満や代謝異常など、心血管疾患の危険因子が集まった状態を指します。これまでに短時間睡眠とMetSとの関連は報告されていますが、朝食欠食との関連についての報告はあまりありません。また朝食欠食に短時間睡眠が組み合わさることによりMetSに影響があるかどうかは明らかではありません。

 そこで、私たちは日本多施設共同コーホート研究(J-MICC Study)のベースライン調査に参加された方のうち、解析に必要なデータがそろっていて、心疾患や脳卒中の既往がなく睡眠薬を服用していない29,780名(男性14,907名、女性14,873名)を対象として、朝食欠食の有無および1日の平均睡眠時間とMetS有病割合との関連について男女別に調べました。またMetS構成因子(肥満、血圧高値、中性脂肪高値、HDLコレステロール低値、血糖高値)ごとの関連も評価しました。朝食欠食者は「朝食の摂取頻度が週6日未満の者」と定義しました。また睡眠時間については、6時間未満(短時間睡眠)、6~8時間未満、8時間以上(長時間睡眠)の3群で対象者を分けました。解析では、朝食欠食なし群および睡眠6~8時間未満群を基準群としました。

 解析の結果、男性の朝食欠食および短時間睡眠はMetS有病割合と正に関連していました(図1および2)。女性では本関連は観察されませんでした。また朝食欠食の有無と睡眠時間を組み合わせた解析では、MetS有病割合との関連は男女ともに大きく変わりませんでした。MetS構成因子ごとの解析では、朝食欠食および短時間睡眠は男女ともに肥満と正に関連していました。本関連は、食事の質の指標(栄養パターン)を調整することによって有意ではなくなり、食事内容の影響が大きいことが分かりました。

図1, 2とも年齢、調査地域、教育レベル、喫煙習慣、飲酒習慣、日常の生活活動量、余暇の身体活動量、総エネルギー摂取量、閉経状態(女性のみ)、栄養パターンを調整


 今回の研究により、男性の朝食欠食および短時間睡眠はMetSと正に関連しており、本関連には肥満が重要な役割を担っていることが示されました。

出典:

  • Katsuura-Kamano S, Arisawa K, Uemura H, Van Nguyen T, Takezaki T, Ibusuki R, Suzuki S, Otani T, Okada R, Kubo Y, Tamura T, Hishida A, Koyama T, Matsui D, Kuriki K, Takashima N, Miyagawa N, Ikezaki H, Matsumoto Y, Nishida Y, Shimanoe C, Oze I, Matsuo K, Mikami H, Kusakabe M, Takeuchi K, Wakai K; Japan Multi-Institutional Collaborative Cohort J-MICC Study. Association of skipping breakfast and short sleep duration with the prevalence of metabolic syndrome in the general Japanese population: Baseline data from the Japan Multi-Institutional Collaborative cohort study. Prev Med Rep 2021; 24: 101613.
カテゴリー: メタボリックシンドローム, 食事   パーマリンク

コメントは受け付けていません。