肝機能に関わる遺伝子多型

研究ファイル No.10: COMTの熱不安定性に関わる遺伝子多型rs4680が肝機能に与える影響

タンパク質を網羅的に解析するプロテオミクスの手法を用いて、動物モデルによる肝傷害についての研究を進めたところ、肝臓内のカテコール-O-メチル基転移酵素 (COMT) に変化が見られたことから、COMTと肝機能の関連に着目しました。
COMTは女性らしさに関わるエストロゲンの代謝や、アミノ酸の一種であるチロシンの代謝で働きます。その中のカテコールエストロゲンやカテコールアミンに作用する酵素であり、様々な生理機能の調節に関与します。
J-MICC研究にご協力いただいているボランティアの方々の中から、COMTタンパク質が熱不安定性となる遺伝子多型を、「①,持たない集団(GG型)」、「②,1つ有する集団(GA型)」、「③,2つ有する集団(AA型)」の3群に分類し、男女別に、肝機能(肝損傷)の指標となる血清中のアラニンアミノ基転移酵素(ALT)活性が高値(30以上)である人の割合を調べました。
女性では「③,AA型」の集団において、「①,GG型」と「②,GA型」よりも、高値を示す人がおよそ6割少ないことが分かり、肝機能が正常に保たれやすいことが分かりました。
男性ではこのような差は見られませんでしたが、ある特定の年齢集団では、この遺伝子多型を有することが肝機能と関連していたことから、今後の追跡調査で男性への影響も明らかになってくる可能性があります。
COMTタンパク質が熱不安定性となる遺伝子多型

  • 男性
  • 女性

 

 

出典

  • Hiyoshi M, Uemura H, Arisawa K, Nakamoto M, Hishida A, Okada R, Matsuo K, Kita Y, Niimura H, Kuriyama N, Nanri H, Ohnaka K, Suzuki S, Mikami H, Kubo M, Tanaka H, Hamajima N; J-MICC Study Group. Association between the catechol-O-methyltransferase (rs4680: Val158Met) polymorphism and serum alanine aminotransferase activity. Gene. 2012;496:97-102.
カテゴリー: 遺伝子多型   パーマリンク

コメントは受け付けていません。