閉経年齢に関わる遺伝子多型

研究ファイル No.11: インスリン抵抗性に関わるPPAR関連遺伝子多型が自然閉経年齢に与える影響

女性が自然に閉経する年齢は、42~58歳ぐらいまでと幅広く(平均は50~51歳ぐらいですが)、個人差がかなり大きいイベントと言えます。早すぎる閉経は、女性ホルモンの欠乏が人生の早い時期から生じるために、その後の心筋梗塞や骨粗鬆症の危険を高めることがわかっています。したがって、閉経年齢に影響を及ぼす要因を明らかにすることは、閉経後の健康維持のために有意義な情報となります。

最近、メタボリック症候群の本質ともいえるインスリン抵抗性があると自然の閉経年齢が早くなることを示唆する報告がなされています。そこで私たちは、J-MICC研究に参加された40歳以上の女性のうち、月経の状態や閉経年齢の情報が得られなかった女性や手術や薬で閉経した女性を除いた1758人の女性について、インスリン抵抗性との関わりの深いPPAR関連遺伝子多型が自然の閉経年齢に及ぼす影響について検討しました。

PPARD遺伝子の-48444の位置に遺伝子の変異を「持たない集団(TT型)」と「持つ集団(TCまたはCC型)」の2群に分けて検討したところ、図のように、遺伝子の変異のある群は、変異のない群に比べて、同じ年齢でも月経を有する割合が少ないこと、つまり、閉経年齢が早いことがわかりました。

PPARD遺伝子の変異の有無別の月経を有する女性の割合

将来、閉経年齢が早い遺伝子型を持つ女性に対しては、若いうちから動脈硬化や骨粗鬆症の予防のための対策を実行することにより、閉経後の動脈硬化や骨粗鬆症を予防できる時代が来ることが期待されます。

 

出典

  • Uemura H, Hiyoshi M, Arisawa K, Yamaguchi M, Naito M, Kawai S, Hamajima N, Matsuo K, Taguchi N, Takashima N, Suzuki S, Hirasada K, Mikami H, Ohnaka K, Yoshikawa A, Kubo M, Tanaka H. Gene variants in PPARD and PPARGC1A are associated with timing of natural menopause in the general Japanese population. Maturitas 2012;71:369-375.
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