現代日本人はどうやって生じたか

研究ファイルNo.12: 日本人形成の2重構造モデルは正しいようだ

現代日本人は,数万年前から日本列島に来たいわゆる「縄文系」の人々と,縄文時代末期から弥生時代にかけて日本列島に来た「弥生系」の人々の混血により生じたとする2重構造モデルは故・埴原和郎先生により提唱された仮説ですが,現在では基本的には正しいものとされています.この説では,弥生系の人々が日本列島の中心部に多く入ってきたことから,日本列島の中心部では弥生系の人々の特徴が強くあらわれ,列島の両北端では縄文系の人々の特徴が色濃く残るとされています.

この説に示されるように,もし日本の地域により住民の遺伝的な特徴が異なるならば,病気の原因となる遺伝子を探す研究でも地域性を考慮する必要が生じます.

そこで,全国10地区でJ-MICC研究に参加されている4514人の方々の222個の遺伝子の型を調べ,そのような遺伝的な特徴の地域差があるのかを調べました.その結果,2重構造モデルが指し示すように,日本列島の南方にある奄美地域とそれ以外の地域とで,非常に小さな地域差を認めました.この結果より,病気の原因となる遺伝子を探す場合は,このような遺伝的特徴の地域差を考慮に入れる必要があることが明らかになりました.

地域別の遺伝的特徴(遺伝子型)の対応分析

 

出典

  • Nishiyama T, Kishino H, Suzuki S, Ando R, Niimura H, Uemura H, Horita M, Ohnaka K, Kuriyama N, Mikami H, Takashima N, Mastuo K, Guang Y, Wakai K, Hamajima N, Tanaka H; J-MICC Study Group. Detailed analysis of Japanese population substructure with a focus on the southwest islands of Japan. PLoS One. 2012;7:e35000.
カテゴリー: J-MICC研究概要, 遺伝子多型 パーマリンク