胃癌の家族歴と関連する遺伝子多型

研究ファイルNo.37:両親ともに胃癌にかかったことがある人に高頻度でみられる遺伝子多型

ご両親やご兄弟など、ご家族が癌にかかったことがあると(癌の家族歴があると)、将来癌にかかるリスクが高く、中でも複数のご家族に同じ癌にかかった方がいると、よりリスクが高くなるといわれています。これは遺伝的な要素と環境的な要素が合わさってリスクになったためと考えられています。

私たちの細胞を作っているコラーゲンなど細胞外基質を分解する蛋白質分解酵素を、マトリックスメタロプロテアーゼ(Matrix metalopretoinase、MMP)と言い、癌組織で過剰に発現し、癌細胞の浸潤や転移に深く関与するといわれています。

それでは日本人に多い胃癌の家族歴と関係のあるMMPの遺伝子多型(遺伝子の個人差)はあるのでしょうか?そこで今回J-MICC研究に参加された4427人の方のMMPの遺伝子多型と胃癌の家族歴との関連を調べてみました。

すると両親または兄弟のうち複数の家族が胃癌にかかったことのある人では、MMP-9の279QQという遺伝子型(タイプ)を持つ人の割合が多いことが分かりました。特に両親ともに胃癌にかかったことのある人では、この遺伝子多型を持つ人の割合が30%以上で、胃癌にかかった家族が一人も無い人に比べてオッズ比は4.34と高値でした。

MMP9 279QQ型と胃癌家族歴

まだこの遺伝子型を持つ人が将来胃癌になるリスクが高いかどうかは分かっていないので今後の研究が必要ですが、複数のご家族に胃癌にかかった方がいて、さらにこの遺伝子多型を持つ人では、胃癌の早期発見や予防に特に注意する必要があるかもしれません。

出典:

  • Okada R, Naito M, Hattori Y, Seiki T, Wakai K, Nanri H, Watanabe M, Suzuki S, Kairupan TS, Takashima N, Mikami H, Ohnaka K, Watanabe Y, Katsuura-Kamano S, Kubo M, Hamajima N, Tanaka H; the Japan Multi-Institutional Collaborative Cohort (J-MICC) Study Group. Gastric Cancer 2017;20:246-253.
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