カテゴリー別アーカイブ: 遺伝子多型

日常的な食事パターンと肥満関連遺伝子多型が血液中の中性脂肪値に与える影響

研究ファイルNo.36:食事が血液中の中性脂肪に与える影響はADRβ3Trp64Arg多型によって異なる  血液中の中性脂肪が高値になると、心臓病につながる恐れがあります。血液中の中性脂肪は、日常的な食事摂取に大きく影響を受けると考えられています。地中海式の食事(果物・野菜、ナッツ、種実類などの摂取が多い食事)は中性脂肪を下げる効果があることが報告されていますが、日本人の食生活との関連は明らかではありません。また、血中の中性脂肪は、遺伝の影響も受けることが知られています。注目されている遺伝子の1つに、βアドレナリン受容体遺伝子(ADRβ)があります。特に、ADRβ3(Trp64Arg)の変異型の遺伝子は肥満遺伝子とも呼ばれ、Trp/Arg型またはArg/Arg型を持っている人は、変異型を持っていない人(Trp/Trp型)にくらべて代謝量が約200 kcal/日低下する(肥満になりやすい)ことが報告されています。また、ADRβ3の変異型をもっている人は肥満になりやすいにも関わらず、血中の中性脂肪濃度は低いとの報告があります。

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喫煙と炎症性サイトカイン遺伝子多型が血糖指標ヘモグロビンA1c に及ぼす影響

研究ファイルNo.35:炎症性サイトカインIL-1βの遺伝子多型により喫煙が血糖値に与える悪影響が異なる可能性 タバコを吸うと、肺がんや脳卒中、心筋梗塞だけではなく糖尿病にも罹りやすくなります。糖尿病は、血糖値とその指標であるヘモグロビンA1cが異常に高くなる病気です。タバコを吸うと体内の炎症レベルが高まるので、その炎症反応によって血糖値やヘモグロビンA1cの上昇が引き起こされると考えられています。タバコと同様に体内の炎症レベルを左右する要因として、炎症性サイトカインの遺伝子多型があります。遺伝子多型とは、個人個人の遺伝子の違いです。例えば、IL-1βという炎症性サイトカインの遺伝子多型(多型の名称:T-31C)にはTT型、CT型、CC型の3つのタイプがあり、TT型では体内の炎症が起こりやすいことが報告されています。

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肝障害に影響する遺伝子型

研究ファイルNo.34:肝障害の程度は炎症性サイトカインIL6の遺伝子多型によって異なる 私たちの体は厳格に制御された強力な免疫機構に守られています。しかし、その制御が乱れて強く働きすぎると自分自身の体を痛めることがあります。免疫の活動のひとつを炎症反応と呼びますが、炎症反応を引き起こすサイトカインという細胞同士の情報伝達物質の過剰が持続すると、大事な内臓を痛め、肝臓では肝細胞の障害が起こると考えられています。 J-MICC研究に参加された3257名の方の肝障害と炎症性サイトカインの遺伝子多型の関連について調べました。

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BMAL2遺伝子多型は2型糖尿病の罹りやすさに関連する

研究ファイルNo.33:肥満者において、時計遺伝子のひとつBMAL2遺伝子多型は2型糖尿病の罹りやすさに関連する可能性がある  2型糖尿病は、高血糖が長く続くことで神経障害や腎症、動脈硬化による脳卒中や心筋梗塞などの合併症を引き起こしやすくなります。最近の研究で私たちの体の体内リズムを調節する時計遺伝子が糖尿病と関連があることがわかってきました。 しかし、時計遺伝子の主要な遺伝子のひとつであるBrain-muscle-Arnt-like protein-1 (BMAL1, ARNTL)やBMAL2の一塩基多型(SNP)と2型糖尿病との関連についてはまだ十分に明らかにされていません。  そこで私たちは、J-MICC 研究に参加された35-69歳の2,467名(男性1,232名、女性1,235名)のなかで、BMAL1 rs11022775(マイナーアレルT>メジャーアレルC)、rs2290035 (T>A)とBMAL2 rs7958822(G>A)と2型糖尿病の罹りやすさとの関連を調べることを目的に研究をしました。

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日本人男性におけるSLC17A1遺伝子多型は、コレステロール恒常性と高ホモシステイン血症に関係する

研究ファイルNo.32:尿酸排出に作用する遺伝子が、肝臓のコレステロールとホモシステインの代謝に関係している  尿酸とは、細胞内で新陳代謝が行なわれた結果、最後にできる老廃物の一つであり、痛風の発症に関与しています。現代人の多くは、尿酸値が高くなっている大きな原因としては食生活などの生活習慣が欧米化したことが挙げられます。欧米では「Disease of Kings(王の病気)」と呼ばれる痛風。美食ゆえのぜいたく病と揶揄されてきましたが、遺伝的な影響も発症に関与する、ということが近年の研究結果からわかってきました。  人間は尿酸を体内で分解・処理できないので、尿として体外に排出しています。尿酸は腎臓の機能により排出されます。その尿酸排出に関与する遺伝子の一つであるSLC17A1が、肝臓にも発現することが認められています。そこで、私たちは今回、J-MICC研究に参加された1,842名の方々において、肝臓で代謝されるコレステロールの指標となるLDLコレステロール/HDLコレステロール比(LH比)と、心血管病と関わるホモシステインの血中濃度の二つの指標を用いて、肝臓におけるSLC17A1遺伝子の作用を検討しました。

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閉経女性の女性ホルモン濃度に影響する遺伝子型

研究ファイルNo.31:エストロゲン代謝関連遺伝子多型は閉経女性性ホルモン濃度に影響する  日本では乳がんや子宮体がんなど女性ホルモンの影響をうけやすい病気が近年増えています。私たちは卵巣や皮下脂肪で女性ホルモンの合成に関わる酵素に注目しました。これらの酵素の設計図となるCYP19A1遺伝子、HSD17B1遺伝子、HSD17B2遺伝子の遺伝子多型と、閉経女性の血中ホルモン濃度との関係を調べました

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慢性腎臓病の罹りやすさと脂質代謝遺伝子

研究ファイルNo.27:日本人の慢性腎臓病の罹りやすさは脂質代謝遺伝子の影響を受ける可能性がある  慢性腎臓病とは、腎臓の中の尿をろ過する腎糸球体という毛細血管の様なものでできた装置が目詰まりを起こして腎臓の機能が低下し、悪化すると透析が必要な末期の腎不全になったり、心血管疾患を引き起こしたりして命に関わる怖い病気です。日本での患者数は1,000万人を超えると言われており、年々増える傾向にあります。この病気の原因としては、糖尿病、高血圧などがよく知られていますが、動物実験や疫学調査のデータなどから、脂質異常症も原因の1つではないかと考えられています。  そこで、私たちは今回、J-MICC研究に参加された3,268名の方々において、脂質代謝に関わる17個の遺伝子の配列の中にある28個の遺伝子多型が、慢性腎臓病の罹りやすさに与える影響について調べました。

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血液中の中性脂肪値に関連する遺伝子多型

研究ファイルNo.26:near MC4R遺伝子多型は中性脂肪血中濃度に影響を与えている  私たちの血液中の中性脂肪の値は、高すぎると脂肪肝や動脈硬化を引き起こすことが知られています。血液中の中性脂肪は、ほとんどが食事由来であり、肝臓でも合成されますが、遺伝の影響もその量に関係している可能性が考えられます。中性脂肪値は太っている人で高い傾向があり、食欲の調節(食欲の抑制)にかかわるメラノコルチン4受容体 (MC4R)というタンパク質の遺伝子近くに変異(遺伝子多型)を持つ人には肥満が多いことが知られています。しかし、この遺伝子多型と中性脂肪値との関連は明らかになっていません。  そこで、私たちはJ-MICC研究に参加された2,035人の方のnear MC4R遺伝子多型と中性脂肪値との関連について調べました。

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hOGG1遺伝子多型と肥満との関連は、居住地域の影響を受ける

研究ファイルNo.24:日本人におけるhOGG1 Ser326Cys遺伝子多型と肥満の関連は、居住地域の影響を受ける 肥満は糖尿病発症の危険因子ですが、その機序の一つとして肥満による脂肪の蓄積が酸化ストレスを引き起こし、酸化ストレスの増大によるDNA損傷がインスリン抵抗性や糖尿病の発生に関与している可能性が考えられています。 ヒト8―オキソグアニンDNAグリコシラーゼ (hOGG1) はDNA修復酵素の1つで、hOGG1遺伝子の多型のCys型を持つ人は、Ser/Ser型の人に比べてDNA損傷の修復能が低いことが知られています。また、Cys型を持つ人はSer/Ser型の人に比べて糖尿病発生が高いことが報告されていますが、その機序については明らかではありません。近年、動物実験においてOGG1の遺伝子多型と肥満の有意な関連が報告されたことから、hOGG1遺伝子の多型が肥満を介して糖尿病の発生と関連している可能性が考えられますが、人での検討は十分ではありませんでした。 そこで、今回、J-MICC研究に参加された1,793人において、hOGG1の遺伝子の多型と肥満の関連について検討を行いました。

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HDL-コレステロール血中濃度と遺伝子多型

研究ファイルNo.23:善玉コレステロールであるHDL-コレステロール血中濃度には複数の遺伝的要因が関わっている 善玉コレステロールであるHDL-コレステロールの血中濃度が低いと動脈硬化が進みやすくなり、冠動脈心臓病や脳血管疾患を発症しやすくなります。HDL-コレステロール値を増やす生活習慣としては運動や食事が重要です。一方、HDL-コレステロール値の個人差については、複数の遺伝子多型が影響しているとの報告はあるものの、生活習慣と合わせた上で、総合的にこれら遺伝子多型がどの様に影響を及ぼしているかは良く解っていません。 そこで、今回、J-MICC研究に参加された3,050人の方のABCA1, APOA1, SR-B1, CETPの遺伝子の型と生活習慣がHDL-コレステロール値に及ぼす影響について検討を行いました。

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